タイムスリップ2017年03月05日

 
 暇に任せて過去を旅した

 
 コペンハーゲンの郊外のお宅にホームスティしていた

 この日 三月の名残雪があたたかく積もった

 「あら クリスマスカードに使えるわね!」 と奥様

 窓から見えるロマンチックなお宅とひとりの少女

 
 
 グーグルストリートで訪ねた46年前

 二度とは行けないだろうところに行った気がした

のような・・・2016年08月08日

 好きです!

たぶんパリの椅子2016年05月29日


 「この椅子の良さわからんからあんたにあげるわ」

 と言われて喜んで貰ってきたホイト根性

 どうみても19世紀のトーネット製の曲木椅子

 でもこの型番はいくら調べても出てこない

 
 
 金色の禿ちょろけた塗装の風貌が

 たぶんアールヌーヴォーのパリのカフェテリアで

 パリジェンヌの小さなお尻を支えていたのだろうと


 勝手に想像して悦に入っている

葛の葉狐2016年03月01日

 
 興味深いものに

 昔話 伽話 寓話 そして 伝説といわれるものがある

 語り継がれる口伝 怪談 艶話となりゃもっと興味深い

 惹かれるのは いつかむかしのどこかの地の

 人と自然と生きものとの出会いのロマンチシズム


 前回につづき あまりに有名な

 やはり人形浄瑠璃 歌舞伎でおなじみ

 「葛の葉伝説」をおすすめ

 あの小泉八雲もとりあげている


 昨日と今日は十数年ぶりの雪女とのくんずほぐれつで

 體がイタイ

安珍清姫2016年02月22日


 浄瑠璃や歌舞伎でも名高いこの物語を知ったのは

 高校二年の美術鑑賞授業にて

 既に北菓楼に売却された旧北海道立図書館は当時

 北海道立美術館だった

 記憶では横山大観の水墨による絵物語

    眉目秀麗の美僧安珍を追い

    恋慕に焦がれ終には火を吐く蛇身に変身した清姫との

    心も身をも焼く道成寺物語

 青春の心をとらえた道成寺は数年前訪ねた

 
 四月から足立美術館蔵の横山大観展が始まる

 此の作品はどこを調べても出てこないのだが記憶違いか

 同じテーマで美しく描いたのは小林古径

盂蘭盆会2015年08月09日

 子らは山野へ分け入り

 桔梗の紫 女郎花の黄などを彩りよくそろえ

 薄縁に包み いくらとも言わず

 墓参へ行く人々は幾ばくかを与え

 お盆様へお供えした

 そんな美しい日本があった  とか


 この世とあの世の結界が開き

 ご先祖様が戻って来られるとか

 彼らは往復切符で

 こちらから行くときは片道切符なのですが・・・・


 今日墓参へ行ってきた

七夕の夜に2015年07月07日

 いつものように 食事して

 いつものように バスタイム

 いつものように 愛しあい

 いつものように

        明けぬ夜明けのしじまの中へ

        消え行くあなたを見送るの

時間移動2015年04月09日

 できないことをやってみるのが

 お話の世界ならではである

 いろんな方法があるらしいが

 マシンなど使わず身ひとつで移動するのがいい

 
 現実じゃあないのに現実的に考えられたのが

 石川英輔の「大江戸神仙伝」の移動

 場所は移動しないので地形が変わっていない所を選ぶ

 神社や古刹がいいらしい

 へたすりゃ移動した途端に死が待っている


 そうだよ 此処らじゃ移動したらちょっと前でも原始林

 へたすりゃ木の股に嵌ってるかも

招待状2015年02月01日

 
 賑々しいだろうパーティの招待状が届いた
 
 宴の所も時も記されていない
 
 
 貴男が出席されれば 

 かつて貴男が愛した人々が勢揃いします とか

 かつて貴男が恋心を抱いた女性も出席します とか

 どうして私が中心なの

 出席か欠席かを迷っていたら


 「出たら・・・」

 と背中に妻の声がした


 そろそろあなたのところにも届いてませんか

救い とは2014年11月03日

 
 軽い知的障害のある人の妻が

 難病で十数年前に他界した

 幼子と父は寄り添いながら生きてきた

 少し前その子も同じ病で母に導かれた

 やはり障害で終に言葉を発することなく

 
 昨日電話が来た

 毎晩遺骨を抱きしめて寝ていると

 妙に明るいかわいた声で言っていた

 返す言葉に戸惑っていると

 受話器の向こうでチャイムが鳴った

 「誰か来たから切るね」