「そ・こ・ち・が・・う・・・」2017年04月04日


 原案「東慶寺花だより」 映画「駆け込み女と駆け出し男」

 どちらも面白いよくできている

 
 さいとうたかをのゴルゴ13は高倉健がモデルらしい  が

 大泉洋ほど主人公の中村信次郎のはまり役はいない

 井上ひさし原作の軽妙洒脱な上に江戸人情と下ネタ満載を

 この映画は程よく捏ね繰り回している


 場面が「耳」に焼き付いて離れない

 蜂蜜浣腸の下り

 見てはならぬと法秀尼に手を添えられて差し入れた  が
 
 「そ・こ・ち・が・う・・・」


 いやいや此のお話の観るとこ 「そこちがう~!」ってか

ボーエ モーエンセンの本2017年03月27日

 
 「君にこの本をあげよう」

 本棚から数冊あったこの本を取り出してヤンスはそう言った

 デンマークの家具作家 ボーエ モーエンセンのバイブルである

 ヤンスの工場のメーンは彼の作品を製作していた


 北欧家具のファンでハンスj ウェーグナーを知らぬ人はいないが

 この国では彼の家具を大切にしている人は多い

 この国の素朴で質実な人柄にあっているのだろう


 
 庵さんの手垢のついたバイブルを調べてみたら

 この方のHPに辿り着いた

 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/13763

桜木紫乃「ホテルローヤル」2016年09月28日

 
 自分からは絶対買わない読まない類の本

 三年前の直木賞だそうな

 友人のオススメで読んじまった


 まあ地元の作家さんだしー知ってる地名沢山でるしー

 登場の色々なホテルも該当らしき所知ってるしー

 と軽く読んだがどうしてどうして

 特にをんなの表現が辛辣だね(をんなが描くからだね)


 日常の非日常 誰にでもありそうな小さな黒い部分ピンクな部分

 三年間の短編を組み合わせ加筆してまとめたらしい

 時間を経た作文の成長が素晴らしい


 でもさ・・・

 このラブホの看板の字

 明朝体の「ル」の最後をくるりとまるめたロゴってあるのに

 装丁にも広告にも使ってないんだなあ

 読んだのかい 関係者

御家人斬九郎2016年09月12日

 
 柴錬と言えば「眠狂四郎」で

 円月殺法も艶尻殺法もやりたい放題だが・・・・

 実は柴錬さん 他の作品での色恋は滅法ロマンチストなのだよ

 
 往年の柴錬ファンの庵さん

 またしても何度目かの再放送の「御家人斬九郎」を観ている

 此のTVシリーズは実に良くできている

      映像が綺麗だ キャストも絶妙

      主演の渡辺謙は演技も殺陣もよくやってるし

      何といっても若村麻由美の蔦吉姐さんがいいねえ

      イイトコドリの武家くずれの自前の辰巳芸者だかんねー


 近頃の時代小説は読みやすいけれど

 「柴田錬三郎」読んでみて下さいよ

「羊と鋼の森」宮下奈都著2016年07月31日

 
 入院中友人から見舞いに頂いた

 病室のベッドの上で読んだ

 という特別なシチュエーションのせいかも知れないが

 全編に渡って目を潤ませて読んでいた


 平易な日常の言葉で坦々と綴られた
 
 無垢な心が無垢な音を共鳴して

 聞こえはしない美しい音色を醸しだしたたような作品


 普通の若者が漕ぎ出す流れには

 澱みも濁りもあるが  これは静かに流れる瀞だ

 此処には森に象徴した原点と澄んだ空気があるだけ


 
 「羊と鋼の森」はそのままピアノを表しているが

 庵さんの解釈は

 羊は青年  鋼は理想  森は帰り着くところ

 
 2016の本屋大賞だそうである

箪笥の釻に布を巻く2016年04月21日


 老剣客秋山小兵衛が鐘ヶ淵に隠居家を構た

 老中田沼意次に「そちらのほうも流石手練れよな」と言わせしめた

 四十も年下のおはると祝言を挙げた

 とは 言わずと知れた池波正太郎の「剣客商売」の話


 祝いに持ち込まれた箪笥の釻におはるの母親が布を巻く

 昭和のヒトケタフタケタならお馴染みの風景

 
 なんとも艶っぽい


 左上蛭釻 右上蕨釻 左下角釻 右下木瓜釻

葛の葉狐2016年03月01日

 
 興味深いものに

 昔話 伽話 寓話 そして 伝説といわれるものがある

 語り継がれる口伝 怪談 艶話となりゃもっと興味深い

 惹かれるのは いつかむかしのどこかの地の

 人と自然と生きものとの出会いのロマンチシズム


 前回につづき あまりに有名な

 やはり人形浄瑠璃 歌舞伎でおなじみ

 「葛の葉伝説」をおすすめ

 あの小泉八雲もとりあげている


 昨日と今日は十数年ぶりの雪女とのくんずほぐれつで

 體がイタイ

「蜜のあわれ」2015年10月29日

 この季節
 
 雨垂れを溜める甕は氷つくから

 夜店の金魚の生き残りの三年子を家の中へ移してやる

 夏の間孑孑をしこたま食べてむっちり肥えている

 
 ガラスの鉢の向こうで何か言ってる


 室生犀星の「蜜のあわれ」を思い出した

 爺は金魚にも夢想を抱くのさ

 二階堂ふみで来年映画が公開になるようだ

春画万歳2015年10月18日

 大英博物館の春画展以来ブームらしい

 この世はいつでもどこでも万年ブームなのだが

 今更ポルノかアートかと騒々しい

 どちらでもいいが近頃の画像や動画とかと違うのは

 描きものならではの楽しむ為の工夫と仕掛けが随所にある

 
 森鴎外の「ヰタセクスアリス」でも

 朗かに未婚の娘が学習の為に鑑賞していたとある   慶慶


 
 写真は鳥居清長の部分 納得の微笑

時間移動2015年04月09日

 できないことをやってみるのが

 お話の世界ならではである

 いろんな方法があるらしいが

 マシンなど使わず身ひとつで移動するのがいい

 
 現実じゃあないのに現実的に考えられたのが

 石川英輔の「大江戸神仙伝」の移動

 場所は移動しないので地形が変わっていない所を選ぶ

 神社や古刹がいいらしい

 へたすりゃ移動した途端に死が待っている


 そうだよ 此処らじゃ移動したらちょっと前でも原始林

 へたすりゃ木の股に嵌ってるかも